ネット紙芝居 (天の掛け橋)
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 1.
 遠い遠いおおむかし、天と地が二つにわかれたころ、天の上の高天原にアメノミナカヌシという神がお生まれになった。しばらくしてイザナギノミコトという男神とイザナミノミコトという女神がお生まれになった。
   ふたりはアメノミナカヌシノカミからりっぱなホコをいただき、雲の上にかかっている天の浮き橋からそのホコで下界のドロをぐるりぐるりとかきまわした。
  そして、さっと引き上げるとホコの先からしずくがポタポタと落ちた。
  するとそこがみるみるうちに固まり、今の日本の国が出来上がった。














 
2.                            高天原の神がみは美しい国が出来たと大喜び。
   「みごとな美しい国だ。ぜひとも行ってみたい。」
 と下界の日本の国を見つめていた。 ある日、 「なんとかアメノミナカヌシノカミさまに頼んで降りる掛け橋を付けていただこう。」
 とみんなでお願いにあがった。 するとアメノミナカヌシノカミは
 「作ってあげるが、本当に大事なときだけ、神だけが使う橋だよ。ほかのものが使うとすぐ壊れてしまうからね。」
 と念をおして掛け橋をお付けになった。














 
.                            神がみは、またまた大喜び。
  「近くで見る山や川はどんなにきれいだろう?そこにはどんな人が住んでいるのだろう? 早く日本の国に着きたい。」
  と神がみは胸をわくわくさせながら、次から次ぎへと掛け橋をお降りになった。














4.                          何度も雲を突き抜けて、やっと着いたところが、今の「宮津市日置」あたり。そこにはきれいな娘さんたちがたくさん住んでおった。
  とつぜん天から神がゾロゾロ降りてくるので、びっくり。
  「神様たちが来て下さった。」
  とそれはそれは大騒ぎ。神がみもきれいな娘さんたちを見てニッコリ。すぐ仲良しになり、いろいろな話をして楽しんでいた。











.                            ところが、娘たちは天に突き抜ける橋を見あげて
   「私たちも一度 高天原へ行きたいわ。ぜひつれて行って。」
 とせがみ出した。神がみは、大弱り。
  「神だけが使う橋だから。」
 といくら断っても娘たちは聞き入れません。しかたなく、
  「つれて行ってあげるが、いいかい。これは絶対にないしょだからね。  ひとことも声を出してはいけないよ。約束だよ。」
 と念をおしてそっと静かにつれて行った。










 
.                            娘たちはもううれしくてたまりません。長くて高い橋を昇って行くに従って、下界が眼下に広がり言葉では言い尽くせない美しさ。
 自分たちの住んでいる所がこんなに美しい国だったとは思いもしなかった。
 娘たちはおもわず
   「ワアーツ、きれい!」
 と叫んでしまった。
  それを聞いて神がみはもう真っ青。
   「だめだっ。」














 
7.                            そのとたん、あのながーいながーい橋がガラガラツと大音響と共にいとも簡単にくずれ始めた。
  悲鳴と共に娘たちは放り出されて散りぢりになり、まっさかさまに落ちて行った。







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8.                                                     もうあの天への掛け橋はなく、その一部が「日置」の近くの海に浮いているだけだった。
 その後、人々はそこを 「天の橋立」 と呼ぶようになった。
         

                                                         お わ り
                あま    か   はし
みやづ昔話紙芝居 コンクール1位 「天の掛け橋」 1995年
日本三景 天の橋立の昔話 無断転載禁じます
作  伊藤文則 著作権は宮津市図書館
2001.6.17 2001.7.2更新
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